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シーズン2/1話の総評――期待値マックスだった分、落差がキツい
正直に言う。ちょっと過度に期待しすぎたかもしれない。
シーズン1を3周して、期待値マックスの状態で迎えたシーズン2の1話。あの全13話の完成度を知っているからこそ、この1話目の出来には戸惑いを隠せなかった。
もちろん、シーズン2の1話なんだから新しい要素を入れなきゃいけないのはわかる。新キャラを出して、新しい展開を見せて、次のステージに進む必要がある。それはわかっている。わかっているけど、それにしたって「やり方」があるだろう、と思ってしまった。
シーズン1が丁寧に積み上げた信頼貯金を、1話で一気に使いに来ている感じ。いや、使うのはいいんだけど、もう少し大事に使ってくれないか。
展開がしっちゃかめっちゃか――詰め込みすぎの弊害
いきなり展開がしっちゃかめっちゃか。 これがこの1話の最大の問題点だ。
ライバル選手を一気に出してきた。シーズン1では、新キャラの導入にちゃんと段階を踏んでいた。一人一人にバックボーンを持たせて、視聴者が感情移入できるだけの時間を確保してから試合に臨ませていた。それが今回は「はい、こっちにもスケーターいます、こっちにもいます」と言わんばかりの駆け足紹介。名前すら覚えられない。
シーズン1の構成力を考えると、花田十輝がこんな雑な導入をするだろうか、という疑問が湧く。もしかしたら原作のこのあたりの展開が詰まっていて、1クールに収めるために圧縮せざるを得なかったのかもしれない。だとしたら、もう少し割り切って、重要なキャラだけにフォーカスする勇気が必要だったのではないか。
テンポの良さはシーズン1の美点だったが、「テンポがいい」と「詰め込みすぎ」は全然違う。今回は後者だ。
ギャグが滑ってる――笑いと感動のバランス崩壊
笑い取りにきてスベりまくっている。 これもかなり気になった。
シーズン1にもコミカルなシーンはあった。でもあれは、キャラクターの性格から自然に生まれるユーモアだった。いのりの天然ボケとか、司のちょっとした不器用さとか。キャラの魅力として機能していたギャグだ。
今回のギャグはそうじゃない。明らかに「ここ笑うところですよ」というシグナルが強すぎる。テンションの上げ方が不自然で、直前のシリアスなシーンとのギャップが浮いている。シーズン1で「重くならない構成」を実現していた絶妙な匙加減はどこに行ったのか。
そして無理矢理ちょっと感動っぽいシーンを入れてくる。 これも引っかかった。感動シーンは、積み上げがあってこそ効くものだ。シーズン1の13話で泣けたのは、12話分の積み上げがあったから。1話目からいきなり感動させようとしても、視聴者の感情はついていけない。
雪国の過去エピソード――唐突すぎて笑ってしまった
急に雪国の過去エピソードとか見せられて、意味わからなすぎて笑ってしまった。
この演出意図がまったく伝わってこなかった。いのりにとって最大のライバルである狼嵜光の過去を描きたかったのだろうが、本編の流れをぶった切って唐突に挟み込まれるので、感情がついていかない。「え、今それやる?」という困惑が先に来てしまう。
シーズン1では回想シーンの入れ方が巧みだった。現在の試合展開と過去のエピソードが自然にリンクして、キャラクターの感情の深みを増幅させていた。同じ手法をやろうとしているのだとしたら、今回は明らかにタイミングと分量のバランスを間違えている。
新しいキャラクターの過去を描くこと自体は悪くない。ただ、1話目という限られた尺の中で、キャラ紹介も、ギャグも、感動も、回想も、全部やろうとした結果、全部が中途半端になっている。何か一つに絞る勇気が欲しかった。
作画とOP――大丈夫か?と心配になるレベル
何より作画大丈夫? すっごい不安定だったんだけど。
シーズン1のスケート作画、あの圧巻のCGアニメーションを覚えているだけに、今回の作画の不安定さは正直ショックだった。シーズン1と比べて明らかにクオリティが落ちている部分があった。
1話目は通常、最も力を入れて作る回のはず。それでこの品質ということは、今後さらに不安定になる可能性がある。ENGIの実力はシーズン1で証明済みだから、体制さえ整えば巻き返せるはず。そう信じたい。
そしてOPが下品な感じで超残念な出来だった。 シーズン1のOPが作品の世界観を見事に表現していただけに、この落差はキツい。映像の方向性がメダリストの持つ「爽やかさ」や「誠実さ」とかけ離れている印象を受けた。曲自体の良し悪しとは別に、この作品に合っていないのが問題だ。
それでも見続ける――圧倒的な巻き返しを望む
ここまで辛辣なことを書いたが、メダリストを切るつもりは一切ない。 シーズン1であれだけの作品を作ったスタッフだ。1話の出来だけで判断するのは早すぎる。
むしろ、1話目でこれだけ課題を見せたということは、2話以降で修正してくる余地がある。シーズン1の1話だって、改めて見返せば完璧ではなかった。それが2話、3話と進むにつれてどんどん引き込まれていったのだから。
圧倒的な巻き返しを望む。 シーズン1で見せてくれた、あの「涙なしには見られないのに重くない」奇跡のバランスをもう一度。いのりと司の物語はまだ始まったばかりだ。
あの13話のフリー演技で泣かせてくれた作品を信じて、もう少し付き合ってみようと思う。
作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原作 | つるまいかだ(月刊アフタヌーン / 連載中) |
| 監督 | 山本靖貴 |
| シリーズ構成 | 花田十輝 |
| キャラクターデザイン | 亀山千夏 |
| 制作 | ENGI |
| 放送 | テレビ朝日系(2026年1月〜) |
| 配信 | ABEMA / dアニメストア / Disney+ 他 |
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