いかくん漂流記

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【葬送のフリーレン 第2期】3話 感想・ネタバレ|フェルンとシュタルクの不器用な青春が眩しい温泉回

葬送のフリーレン シーズン2
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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秘境の温泉を目指す旅――苦労の先にあるもの

3話の前半は、秘境の温泉を目指す一行の話。冒険ファンタジーの中で「温泉回」と聞くとサービス回を想像しがちだが、フリーレンはそう単純にはいかない。目的地にたどり着くまでの道中の苦労、モンスターとの遭遇、そしてその先に待つ報酬。この「過程を丁寧に描く」姿勢が、フリーレンという作品の真骨頂だ。

苦労してたどり着いた先は足湯のような温泉だったが、それでも道中の経験があるからこそ格別に感じる。苦労した分だけ、到着した時の喜びが大きくなる。これは旅の本質であり、人生の縮図でもある。

フリーレンという作品は、目的地に着くまでの「道中」にこそ価値を置く。世界を救う大冒険ではなく、次の街を目指すだけの小さな旅路。その過程に宿る喜怒哀楽をこれほど丁寧に描ける作品は、他になかなかない。

アイゼンの名言――「くだらない冒険ほどかけがえのない記憶に残る」

シュタルクの師匠アイゼンの思い出話に出てくるこの言葉が、3話のテーマを集約している。

「くだらない冒険ほどかけがえのない記憶に残る」

勇者パーティーとして世界を救った記憶よりも、仲間と一緒にくだらないことで笑い合った記憶のほうが、実は心に深く刻まれている。これはアイゼンだけでなく、フリーレンにも当てはまる真実だろう。フリーレンがヒンメルたちとの旅を思い返すとき、魔王との決戦ではなく、何気ない日常の断片を思い出すことが多い。それこそが「人間を知る」ことの本質なのかもしれない。

小さな苦楽を共にすることが絆につながる。冒険の価値は成果だけで測れるものじゃない。回想と現在の描写を重ねることで、時の流れによる変化と、変わらないものの両面が見えてくる構成は相変わらず見事だ。

葬送のフリーレン 第31話
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

三ツ頭のトカゲ戦――フリーレンの「いい作戦」に笑う

戦闘パートも3話はどこかコミカルだ。三ツ頭のトカゲとの遭遇で、フリーレンが「いい作戦がある」ってシュタルクを走らせたのがただの囮だったのには笑ってしまった。

フリーレンのこういう飄々とした面が好きだ。1000年以上生きたエルフの大魔法使いが、真面目な顔で仲間を囮にする。悪気は一切なくて、彼女なりに合理的な作戦なのだが、シュタルクからしたらたまったものじゃない。このコミカルなやり取りが、三人の関係性の近さを感じさせてくれる。

信頼しているからこそ囮に使えるし、信頼しているからこそ文句を言いつつも従う。戦闘シーンでありながら、パーティーの絆が見える良いシーンだった。こういう笑いと戦闘が自然に共存できるのは、三人の関係性がしっかり描かれているからだろう。

フェルンとシュタルクの青春が眩しい

後半は温泉街での展開。ここからが3話のもう一つのメインディッシュだ。

フェルンがシュタルクにかまってほしいと言う姿がかわいい。 普段は落ち着いていて年齢以上にしっかりしているフェルンが、シュタルクの前では年相応の女の子に戻る。この二面性がたまらなく魅力的だ。

そしてデートに誘われて動揺するフェルンもかわいい。 一方のシュタルクはというと、相変わらずの鈍感さで微笑ましい。フェルンの気持ちに気づいているのかいないのか。おそらく半分くらいは気づいているのだろうが、どう対応していいかわからないのだ。戦士としては強くても、恋愛に関しては完全な初心者。そのギャップがいい。

フリーレンがこの二人のやり取りを横で見ながら、ハイターの昔話をするシーンがまた感動的だ。かつてのパーティーでも、きっとこんな甘酸っぱいやり取りがあったのだろう。フリーレンは当時それに気づけなかったが、今なら少しわかる。過去の自分には理解できなかった人間の感情を、目の前の二人を通して学んでいる。

葬送のフリーレン 第31話
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

不器用者どうしの青春、甘酸っぱくていいね

不器用者どうしの青春、甘酸っぱくていいね。 3話後半を見て率直にそう思った。

フェルンもシュタルクも、それぞれの事情で「普通の青春」を過ごしてこなかった。フェルンは幼くして両親を失い、ハイターに育てられた。シュタルクはアイゼンのもとで戦士として鍛えられた。二人とも同年代の友人と遊んだり、恋をしたりする時間を持てなかった。

だからこそ、今この旅の中で芽生えている感情が不器用で、ぎこちなくて、それがとても眩しい。戦闘も冒険も大事だけど、こういう何気ない人間ドラマがあるからこそ、フリーレンは他のファンタジー作品と一線を画している。

3話の総括――日常回こそフリーレンの真価

3話は派手なバトルや衝撃的な展開はない。しかし、この作品の魅力が最も凝縮されたエピソードの一つだった。

アイゼンの名言が示すように、くだらない冒険こそかけがえのない記憶になる。フリーレンとフェルンとシュタルクの三人が温泉を目指し、トカゲと戦い、温泉街で青春する。たったそれだけの話なのに、見終わった後に温かい気持ちが残る。これこそがフリーレンという作品の真価だ。

作品情報

項目内容
原作山田鐘人・アベツカサ(週刊少年サンデー / 連載中)
監督北川朋哉
副監督原科大樹
制作マッドハウス
放送日本テレビ系 毎週金曜23:00〜
配信DMM TV / dアニメストア / U-NEXT / Netflix / Amazon Prime Video

見逃した方・これから見る方へ

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