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幼いユルとアサ、座敷牢にいたのは紛れもなく本物の妹だった
7話の序盤は、ユルとアサがまだ幼かったころ、両親と一緒に村で暮らしていた時間が描かれる。これがまずぐっと引き寄せられる導入だ。この回想で大きいのは、村の座敷牢に閉じ込められていたのは紛れもなく本物のアサだった、という事実が示されることだ。
そして両親はアサを連れて村から逃げた。残されたユルを村に繋ぎ留めておくために、村は「偽物のアサ」を座敷牢に用意した。1話から「アサ」と呼ばれてきた座敷牢の少女は、本物の代わりに据えられた身代わりだったということだ。ユルにとって兄妹として過ごしてきた日々の前提が、ここで一段ひっくり返る。なんとも惨い話で、村のしたたかさが冷たく浮き上がってくる。
村人やババアの反応の奇妙さ、その正体が見えてくる
1話から、村の人たちの「アサ」に対する目線にはずっと違和感があった。座敷牢に閉じ込めることをよしとし、ユルに対しても妙な距離感を取る大人たち。あれが何だったのか、7話の回想を経るとようやく腑に落ちる。
村は、双子の力を村の外に出すまいとしていたのだ。だから両親が本物のアサを連れて逃げたあとも、ユルだけは絶対に手放さなかった。偽物を用意してまで兄妹の絆を疑似的に保たせ、ユルをこの村に縛りつけ続けた。1話で違和感として置かれていたものが、7話でひとつの動機にまとまる。村が抱えていた「目的」が、ここでようやく形になって見えてくる回だ。
アサが一度死に、「解」の力を手に入れるまで
7話のもうひとつの軸が、アサが一度死んで「解」の力を手に入れた経緯だ。6話ラストの眼帯告白――村からの刺客に一度殺された、というあの衝撃の発言が、7話で具体的に映像化されてくる。
東の村で、夜と昼が等しい長さになる日。その日の出を境に生まれた男女の双子は、一度死ぬことで黄泉比良坂に至り、それぞれが「解」と「封」の力を手に入れる――そういう仕組みが語られる。アサは「解」を、ユルは「封」を受け取る運命に置かれた双子だったということだ。
そしてその力で、世のツガイを統べることができるらしい。ツガイがこれだけ強力な存在として描かれてきたうえで、それを束ねる力までこの兄妹に背負わされている。当然、その力を欲しがる者たちが現れる。アサが村の刺客に殺されたのも、ユルがあの村に閉じ込められていたのも、すべてはこの「解」と「封」をめぐる権力争いの構図にあった。点で散らばっていた違和感が、ここでひとつの線につながる。
ユルを迎えに来たデラ、影森家のジンは警戒
過去の真相が見えてきたあと、現在の場面に戻ると、ユルを迎えに影森家を訪れたのはデラだった。3話以降、ユル一行を導く案内人として動いてきたデラ(田寺リュウ)が、影森家の門をくぐる側に立つ。
影森家のジンは、当然そのデラの来訪を素直には受け取らず、警戒の目を光らせる。ユルを連れ出そうとする側と、アサを抱える影森家。立場の異なる顔ぶれが同じ場所に揃って、一触即発の空気が流れる。これまで「ユル対影森家」が主だった構図に、それぞれの思惑が交差する緊張感のある場面だ。
影森家当主ゴンゾウの一声、緊張の卓を「朝食」に変える
そんな張り詰めた空気を、影森家当主のゴンゾウが一声で切り替えてしまう。みんなで朝食を取ろう、と。一触即発寸前だった顔ぶれが、同じテーブルを囲む構図に組み替えられる。ここでゴンゾウという人物の格と、影森家における存在感がさらっと示される。
説明や宣言ではなく、ただ食卓に座らせるという生活の動作で全体の温度を下げてみせる。7話で初めて目立った形で動くキャラクターだが、登場の仕方がうまい。次の8話で食卓の会話がそのまま物語の中心になっていく流れも、この一声で自然に作られている。
シリアスとキラキラの落差――この作品の緩急のうまさ
7話は、過去の真相と双子の運命という、シリーズの根っこに触れる重いエピソードだった。座敷牢の偽物、双子の力をめぐる村の思惑、アサが一度殺された経緯。情報量も重さも、この回までで屈指の濃さだ。
そんなシリアスの只中にあって、ラストはアサの「兄様とごはん食べれる!」のキラキラで終わる。さんざん重い真相を見せられたあとの、この素朴な兄好きの一言。ここまでで張りつめたものを、ふっと一段降ろしてくる落差がうまい。アサというキャラの魅力の一面でもあり、次の8話の朝食シーンへ向けたバトンの渡し方でもある。シリアスの含み方と、その締め方のバランスが取れている回だった。
作品情報
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 原作 | 荒川弘(スクウェア・エニックス「月刊少年ガンガン」連載) |
| 監督 | 安藤真裕 |
| シリーズ構成 | 高木登 |
| キャラクターデザイン | 新井伸浩 |
| 音楽 | 末廣健一郎 |
| アニメーション制作 | ボンズフィルム |
| 放送 | TOKYO MX・MBS・BS11ほか 毎週土曜23:30 |
| 配信 | ABEMA / Prime Video / Hulu / Netflix / dアニメストア / U-NEXT 他 |
| OP | Vaundy「飛ぶ時」 |
| ED | yama「飛ぼうよ」(作詞・作曲・編曲:Vaundy) |
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