いかくん漂流記

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【オーシャンズ11】感想・ネタバレ|スタイリッシュな泥棒たちの完璧な娯楽映画

オーシャンズ11 キービジュアル
©2001 Warner Bros. Entertainment Inc.

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スタイリッシュな泥棒さんたちのお話。娯楽映画としてすごくクオリティが高くて、純粋に面白い。舞台がラスベガスのカジノということで、煌びやかな映像を眺めているだけで楽しい気持ちになれる一本だった。

娯楽映画の理想形

難しいことは何も考えなくていい。ただ画面の中のカッコいい男たちが、カッコいい計画を立てて、カッコよく実行していくのを見ているだけで最高に楽しい。監督のスティーヴン・ソダーバーグは本作の前年に「トラフィック」でアカデミー賞監督賞を獲ったばかり。重厚な社会派作品の直後にこんな痛快な娯楽映画を撮れるのが、この人の底力だと思う。

名前を見るだけでワクワクする豪華キャスト

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツ。キャストの名前を並べるだけでワクワクするような豪華メンバーが揃っている。11人それぞれにちゃんと見せ場があって、誰一人として添え物になっていないのがすごい。エリオット・グールドの資金提供者ルーベン、カール・ライナーの変装の達人サウル、ケイシー・アフレックとスコット・カーンのモロイ兄弟まで、全員がちゃんと「いる意味」がある。

ドン・チードルは爆発物担当バッシャー・ターを演じているが、実はこの映画のクレジットに名前が載っていない。クルーニーやピットと同格のクレジットを要求したが断られ、それなら載せなくていいと本人が申し出たという。それでもあの存在感を見せるのだから役者の格が違う。

クルーニーが集めた夢のチーム

この映画のキャスティング自体が、劇中の「仲間集め」と重なるようで面白い。クルーニーはジュリア・ロバーツを口説くために、脚本に20ドル札を貼り付けて送りつけた。メモには「あなたのギャラは1本2,000万ドルと聞いている」と書かれていたという。当時ハリウッド女優として初めて2,000万ドルのギャラを手にしたロバーツは、このジョークに笑って出演を決めた。

一方で、マーク・ウォールバーグとジョニー・デップにはオファーを断られている。ウォールバーグは「猿の惑星」への出演が決まっていたための辞退だった。クルーニーは後年、冗談交じりに「彼らは後悔しているだろう」と語っている。ウォールバーグが降りたことでマット・デイモンが合流し、結果的にこの布陣が完成した。

ブラピがカッコいい、それだけでいい

ブラピカッコいい。もうこれに尽きる。ラスティ・ライアンというキャラクターは、作中ずっと何かを食べている。これはピット本人のアイデアで、「巨大な強盗計画を立てている最中に、まともな食事をする時間なんてないはず」という発想から生まれた演出だ。撮影ではエビのカクテルのシーンだけで40尾以上を食べたという。その余裕綽々な佇まいが、ラスティというキャラクターの飄々とした魅力にそのままつながっている。食べ方ひとつで人物像を語れるのは、さすがブラッド・ピットだと思う。

ラスベガスという最高の舞台装置

舞台がラスベガスのカジノというだけで、映像が煌びやかで楽しい気持ちになる。実際の撮影もベラッジオやシーザーズ・パレスで行われている。プロデューサーのジェリー・ワイントラーブがベラッジオのオーナーと個人的な友人だったおかげで、24時間フルアクセスが許可された。キャストとスタッフは撮影期間中ベラッジオに滞在していたというから、劇中のゴージャスな空気感はそのまま現場の雰囲気でもあったのだろう。

ちなみに撮影の合間にキャスト同士でブラックジャックをやったところ、クルーニーは25連敗を喫したらしい。デイモンとピットに「一番下手だった」と暴露されている。カジノ強盗のリーダーがギャンブル下手というのも、なんだか微笑ましい。

あの噴水前のラストシーン

ラスト、ベラッジオの噴水の前で一人ずつ解散していくシーン。仕事をやり切った爽快感と、お祭りの後のような切なさが相まって、何とも心地よい余韻が残る。派手なアクションで終わるのではなく、静かに散っていくあの空気感が、この映画を単なる娯楽作品以上のものにしている。デヴィッド・ホームズのスコアと、ドビュッシーの「月の光」が流れるあの時間は、本当に贅沢だ。

1960年のオリジナル版という存在

古い映画のリメイクなんて知らなかった。1960年のオリジナル版はフランク・シナトラ率いる「ラット・パック」が主演で、当時のハリウッドの遊び心が全開の作品だったという。シナトラたちは撮影中もほとんどアドリブで、1日3時間程度しか撮影しないという悠々自適なスタイルだったらしい。2001年版は脚本が緻密で各キャラクターの動機も明確になっているが、「仲間と楽しそうに映画を撮る」という根っこの部分は60年経っても変わっていない。製作費8,500万ドルに対して全世界興行収入は4億5,000万ドル超え。続編が2本作られたのも納得の大ヒットだった。

作品情報

項目内容
タイトルオーシャンズ11(Ocean's Eleven)
監督スティーヴン・ソダーバーグ
脚本テッド・グリフィン
製作ジェリー・ワイントラーブ
出演ジョージ・クルーニー / ブラッド・ピット / マット・デイモン / アンディ・ガルシア / ジュリア・ロバーツ / ドン・チードル / バーニー・マック / エリオット・グールド / ケイシー・アフレック / スコット・カーン / カール・ライナー
音楽デヴィッド・ホームズ
配給ワーナー・ブラザース
公開年2001年
ジャンル犯罪 / コメディ / スリラー
上映時間116分

見逃した方・これから見る方へ

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